SL-A300 リナックスザウルス

まえおき

久しぶりにザウルスが一新したといえる。
なによりもその方向性を転換したのか、それとも仕切りなおしなのか。
ザウルスにとってこれが吉と出るか凶と出るか。
ともかくも注目の一品といえるのかもしれない。

なお、まだ購入してから数日しかたっていないことをあらかじめお断りしておく。

中身がすっきりしたザウルス

買ってすぐ使えるというためなのか、ともかくもカタログをすこしでも賑わしたいのか、これまでのザウルスはともかくも膨張路線であった。
L1ではビジネスモデルということでやや押さえ気味であったが、E25あたりではともかくもアプリケーションてんこもり状態でメニューから溢れんばかりであった。
SL-A300ではすっきりとした。
アプリケーションはカレンダー(とToDo)、アドレス帳、時計、電卓、世界時計、そしてイメージノート、メモ帳、メールだけである。
標準ではおまけのゲームも電子辞書ビューワーもMP3プレイヤーも入っていない。
CD-ROMからのインストールでIntelliSync(Outlookとのリンクらしい)、HancomSheet(スプレッドシート)とHancomWord(ワープロ)が導入できるようになっている。
私としてはこういうほうが好みである。
ぐちゃぐちゃと試供品やら色々入っていると消すのが面倒でともかくもうざったい。

外見がすっきりしたザウルス

E1を例にとるとメールチェック、逆送り、順送り、ホームインデックス、操作メニュー、機能、中断といった機能キー(ボタン)に加えて戻る、十字キー、決定キーがついていた。
今回ではHome、Cancel、十字キー、OK、Menuが並んでいるのみでありすっきりしている。

使用感

スタイラスペンがなんか細くて違和感がある。
まぁ、実用上何ら差し支えはないのだが、本体から抜くときに違和感を感じる。
ともかくも軽くなって小さくなっている。背広のポケットなどでもさほど違和感がないし、システム手帳の開きにいれておくとよいのかもしれない。電卓レベルの軽さになっている。
昔の電子手帳PA-X1あたりを思い出す、というのは言い過ぎかもしれないが、PI-3000あたりの重さにいやになってPA-X1に戻ったときの感覚をちょっと思い出した。
とりあえず非常に強力な関数電卓アプリがでてくれれば電卓の代わりとして持ち歩いてもいいのではないか、という感覚であろうか。

手書き入力

入力全般でIMEのようにアプリ側が起動するのではなく、ユーザーがタスクバーみたいなところを押して入力画面(手書き入力、ソフトウェアキーボード等も含む)を表示させ、入力を行うようなスタイルになっている。
手書き入力のレスポンスは従来と比べると悪くなってしまっている。
ときどきひっかかる感触もあり、これはLinux(マルチタスクOS)を基本OSとした弊害がでてしまっているのだろうか。
認識自体は非常に良くなっているように感じる。
勿論、個人差が非常に大きいのではあるが、以前よりは私が思った通りの文字に認識してくれる確率が高くなっているのは事実だ。
今回から認識優先を設定できるようになっている。
ひら、カナ、英字、数字のボタンがあり、それぞれ優先認識する文字を指定できるようになっている。
以前では英文字や数字を認識させるのが難儀であり、キーボードを使用せざるを得なかったがそんなこともなくなった。
また認識枠が3つあるが、このそれぞれをかな漢字、英字、数字の優先枠として使用できるようになっている。これは切替のボタンをタップすれば切り替わるので必要に応じて簡単に選択できる。
それぞれの枠の中に「かな漢字」「ABC」「123」と薄い文字で書かれており判りやすい。
これはなかなか単純ながらよいアイデアだと思う。
また、枠なしというのもできるが私個人としては枠が合ったほうが書きやすいのでこの話題はおいておく。

パソコンとのリンク

従来はパソコンリンクというとOutlookとのリンクとか私にとってはなんの役にもたたないものであり、ザウルス自体がそれだけで完結しうるものであったのでさして興味がなかった。
今回からはLinuxであるということもあり、むしろ私がやってほしいと思っていた形になっていた。
もうネットワーク時代では当たり前となりつつあるネットワークドライブとしてのパソコンへの参加である。
ザウルスがSAMBAというファイルサーバーになりUSBをネットワークケーブルとみなして仮想ドライブをWindows上に形成するという形をとっています。
Windows2000においては「マイネットワーク」に「home - Sla300」というフォルダが作成されており、そのしたのMain_Memoryというフォルダをアクセスすることによってザウルスの内蔵メモリの一部をフォルダとして扱うことができます。
取り説によると本体にさせるSDメモリカードもフォルダが別途自動的にできて扱うことができるそうです。
よってネットワークドライブの割り当てによってドライブ名を割り当てることができるので、専用のツールでなくても好きなファイラーを使ってファイルのやりとりができるようになったといえます。
これは操作の統一性という観点からも非常に歓迎すべきことでお仕着せのアプリを強要しないという点で好ましい姿といえます。

なお、このリンクは「ザウルスショット」という本体添付のCD-ROMに入っているソフトを導入して常駐させておけばUSBケーブルをつないで電源をいれれば自動的にリンクするようになっています。

ZoneAlarmとザウルスショットの共存

ZoneAlarmというのはFireWallソフトの一つで非常に協力で便利なソフトなのですが
普通に導入しているとZoneAlarmが通信を遮断してリンクが成立しないという問題が起きてしまいます。
通常のアプリケーションならば接続要求に対して許可を与えれば済むのですが、ザウルスショットはそうもいかなかったのです。
最初にPingを打って存在を確認しているようなのですがZoneAlarmはPingに対しては単純に遮断のみを行ってそのメッセージを出すだけなのです。
だいぶ悩んでしましたが以下のような設定をすれば問題ないことがわかりました。
Firewallの設定で、Add>>Subnetを選ぶ
Zone -> Trusted
IP Adrress -> 192.168.129.201
Subnet Mask -> 255.255.255.0
Description -> SLA300 (これはなんでもいい)
と入力してOKを押してダイアログを閉じ、Applyを押します。
これは単に私自身が全然ZoneAlarmを使いこなせていないということで反省をした次第です。

ザウルスショットの本来の機能

ザウルスショットはショットであってリンクではない。
リンクをした上での面白く、割と実用的な機能を持っている。
一つが画像のキャプチャである。
PrtScrnキーを押すことによって画面のアクティブウィンドウの画像のキャプチャーを行い、ザウルスに転送をする。
普通はPrtScrnを押すとクリップボードでコピーされ、ペイントなどの任意のグラフィックエディターでペーストすることができるが、それをザウルスの転送までしてしまうことになる。
コピーした画像をなんかのソフトでペーストしてJPEG形式でセーブしてそのファイルを\\sla300\home\Main_Memory\Image_Filesにコピーすればそれでまったく同じことではあるのだが、逆にいえばこの一連の操作を勝手にやってくれているともいえる。
Alt+PrtScrnでは任意の指定領域の画像に対して同じ事をやってくれる。
もう一つはテキストのキャプチャである。
テキストについてはF11を押すことによって選択した領域をテキストとしてセーブしてくれる機能である。
基本的にはこれはテキストのコピー&ペーストができるようなツール(取り説ではAcrobatReaderが例に挙がっている)で使用が出来るのでかなり便利といえよう。
しかしエディターによる依存があるようで私の使っているxyzzyではうまく動作しない。
これはもしかしたら「Ctrl-C」をコピーとするソフトでないと動作しないということなのかもしれない。
まぁ、なんにせよ、Webブラウザなどで文字情報だけきりとっておきたいときなども非常に使えると思われる。
もちろんこれもエディターなりにペーストしてファイルセーブしてファイルコピーしてとすれば同じは同じなのだが使い勝手が全く違うといえよう。
なお、転送するとザウルスのほうでも音が鳴ってその転送されたデータを自動的に表示してくれるので確認がすぐにできる。
また、ファイル名として一番上のバーに表示されている文字(ウィンドウタイトル)をひろってロングファイルネームでつけてくれるので非常に便利だ。
これはザウルスショットの環境設定で変えられて他に日付タイプ、連続番号タイプ、保存ファイル名を毎回指名する、その他接頭語+通番数字(桁数指定可)ということができるようだ。
なかなか細かく考えられているといってかまわないだろうか。

外装上の欠点

欠点としてUSBとACアダプタを、さらにアダプタを介しないと接続できないという点があげられる。
確かに薄いのはわかるのだが、デザイン上の問題からコネクタがつけられなかっただけではないのか、とみられる気もするのでその点は非常に残念といえる。
しかしこれは基本的にクレイドルを使うものであって、アダプタは持ち運びなどの時につかうものなのかもしれない。
クレイドルはむしろ標準品ぐらいのもののような気がするし、実売で5万を超えたくないのでクレイドルは別売りになっただけなのかもしれない。

アプリの起動が遅いか

起動が遅い場合があるというのは昔からあった話ではあるが、確かにこのザウルスも重いことは否めない。
私にとっては許容範囲に入る。
でかいアプリは起動時間が長い、それはパソコンでも同じ事だ。
起動時を早く見せるために一部を常駐させておいたり、OSに組み込んでしまったりというテクニックがWindowsでは存在しているが、それならばこのザウルスでも可能である(後者は無理だが(笑))。
メモリを圧迫してしまうだけのことでパソコンと事情を同じくしている。
また、アプリを閉じないで他のアプリを起動させることも可能になったので使い方によっては全く問題ない。
単にタスク(ウィンドウ)を切り替えるだけなのだから。
この辺もLinuxを採用したことならではのメリットといえよう。

そんなことよりも大きいのは以前のザウルスは電源Off/Onで常にトップメニューに戻ってしまっていた。
ところが今回のはOffした時点の画面がそのまま表示されている。単なるサスペンドである。
これは非常に大きな違いである。これがあるとこまめに電源をOffするようになる。結果として電池の持ちが飛躍的に長くなるのだ。
このことはHP200LXでも体験済みであり、ザウルスの最大の欠点だと私は思っていた。
これもLinuxのおかげといえるのだろうか。

総評

小型ゆえ、シンプルにするがゆえにWebブラウザやメールクライアントとしての機能が削られてしまったことは残念であるがこれはしかたないとあきらめ、今後発売されるキット待ちとしよう。
基本的に非常によく押さえて作られているという印象がある。
Palmの美点も理解した上での結果であると思える。
しかし人によってもE21などのほうが良いという人もいるだろうから、選択肢としてSLA300というのが増えたととらえると良いのかもしれない。
このザウルスの記者発表のときにLinuxのオープンとJavaを強調していたように記憶しているが、今後開発キットが出てきてより広い層のアプリケーションを作成するユーザーがでてきたらもっと面白くなってくるのではないかと思える。
なにしろ120gという世界最軽量のLinuxマシンであるから。


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