SONY ハードディスクレコーダー Clip-On(SVR-515)

EPG(電子番組表)

この機械のキモはこれにつきる。
というかこれなくしてClip-Onの存在意義はないといっても過言ではないだろう。
実態はG−Guideというシステム。TBS系列が文字放送と同じ仕掛けで番組表をデータとして送ってくる。1日に4回らしい。
これを蓄積して電子番組予約や録画した番組の管理に使用する。

予約は、チャンネル別、時刻別、ジャンル別ができる。
時刻別、で7局分の番組が時間とともに表示されるからそれを順に追っていけば時刻系列で視たいものが探せる。私はもっぱらこれだ。
特定のチャンネルだというのが判っていればチャンネル別で追えば判りやすい。
特定ジャンルでみたいものを探したければジャンル別も便利だ。
例えば映画をなんかみたいなといったら、ジャンル「地上波映画」や「BS映画」で一覧をみればいい。他にはドラマ、スポーツ音楽、バラエティがある。
このジャンルはG−Guideで決められているもので、欲しいジャンルがないのをClip-Onに対して文句を言ってもしかたのないことだ。

リモコンは多くのDVDプレイヤーのように中心に決定ボタンがあり周囲に上下左右の4つのボタンがあってカーソル移動というスタイル。
それを使って番組一覧から選んで決定を押すだけ。
高価な機種である7シリーズではジョイスティック+押し込みなのでよりその主張が明確なのだがちょっとだけ残念。もっともそのスティック自体のできがいまいちで評判が抜群かというとそうでもないようだ。
思い切ってファミコンパッドみたいなものでというのも面白かったのではないか。
もっともPS2のDVDプレイヤーみたいにされても使いにくすぎて困るが(笑)
EPGに関しての欠点はせいぜいが2日あとまでしかないというところか。
ちょっと長い出張や旅行だと番組表が存在しないので表による予約が出来ない。
もちろんいつもとっている週間予約は問題ないが特番などは少々面倒になる。
これもClip-Onの問題ではなくG−Guideの問題だ。

予約できる数は30。従来から考えると十分多い部類だが週間録画と思いつきで番組をどんどん登録していくと結構破綻をしてしまう。ちょっと残念。

チューナーとしても便利か

録画しないでもチューナーとしても結構便利なことが多い。
電子番組表をつかって番組の一覧を見ることができるのはいうまでもない。
チャンネルを切り替えたとき、OSDでその番組のタイトルが表示されるのだ。
これは結構楽しいし便利なものだ。よくTVをみながらこの映画のタイトルって?とかこのサッカーの試合ってどことどこ?とか思って新聞などのTV欄を見たりするだろう。それが必要ない。さらに番組説明も表示できるから便利だ(たいした説明はないが)。

一部のTV、VTRにはついているが字幕表示にも対応している。
まぁ、いわゆる聴力の弱い人のためのものだが意外とこの機能に対応したTVとかVTRは少ない。OSDが綺麗にだせるから。文字が他のより綺麗にでるのは長所といえよう。

BSチューナー内蔵だから別に持っている人も統合できるだろう。

録画と再生の独立思想

通常のVTRでは録画中にはなにもできないのが通例だろう。
HDDレコーダーでは録画中にも再生が同時に可能だ。
だから、録画ボタン、録画一時停止ボタン、録画停止ボタンが独立して存在している。
いうまでもなく普通にある再生ボタン、一時停止ボタン、停止ボタンもある。
VTRでは結構うっとうしい「予約ボタン」は存在していない。
よく押し忘れて録画しそこなうものだがそんなものは要らない。
録画予約をすればその時点で間違いなく予約される。電源を切っても入れていてもそんなことは関係ない。なにかを再生中であってもお構いなしに予約した録画が始まる。
予約が込み入っていると再生をしていてとりたい番組を録画しそこなう可能性があるので時間を気にする必要がある。それが一切ないのだ。

これは意外と重要なことで時間を気にする必要が一切なくなる。
とるのは勝手にとりためてもらって後追いで好きに見ていく、という感覚が可能になる。

番組管理

EPGによってつけられた名前で一覧が形成される。
100までのタイトルが保持できるという。
サブタイトルなどもEPGに入っている。
あとから番組名とかを編集することはできない。
これは欠点でもあるし見切ったことなのかもしれない。
事実編集などといったら結構入力が面倒だし実際にどれだけの人間がやるのかというと疑問だ。私自身必要がないと感じる。
そもそもHDDレコーダーは保存するための機械ではない。

デジタル入出力は必要か

iLink端子はついていない。これに対して疑問をする人は多い。
いわく、デジタルで画質の劣化のないダビングがしたい、と。
しかし現状ではどれだけのユーザーのメリットがあるのか疑問だ。
実際にはS端子程度あれば十分だと思う。所詮はVHSとか8mm相手なら元々がひどい画質なのだからデジタル云々なんて無意味だ。DVでもそれよりちょっとましというレベル。
というか画質を云々いうのであればClipOnなんか買わないほうがいい。
基本的なチューナーの性能とか3次元Y/Cとかほめられたレベルではないからだ。
そういう人は素直にハイエンドのD−VHSなどを購入して満足していればいいからだ。

せっかくのデジタル機器だから、という論議も私にはナンセンスに思う。
iLinkでデジタルやりとりするためにはデジタルでのフォーマットまでもがそれにあわせないといけなくなる、それに縛られてしまうことになる。
劣化が、というが数回くらいではそんなに変わるものではないしそういう用途はほとんどない。著作権云々がまだ曖昧な現在でではデジタルでごちゃごちゃするよりは今まで規格で難なく対応したほうが利口だと私は考える。

CMスキップ

残念なのはこれがないこと。技術的には簡単なはず。
でもこれにCMスキップがついたら本当に全くCMをみなくなってしまう。
VTRなら早送りしている途中の絵がちょっとみえる。でもそれが全くない。
民放にとってはCMというのは大事な収入源。
そもそもCMスキップというのはタブーである機能だ。
だからこそあえていれなかったのかもしれない。

メニューの出来

総じてよく出来ている。色使いやセンスも合格。
セットアップは正直よくわからなくて取り扱い説明書を見ないといけないがそれは仕方ない部分はある。まぁ、そんなのは最初だけだからどうでもいいのだ。
普段使う予約画面や再生メニューなんかはよくできている。
うっとーしーよ、なんでこんな風につくるんだっていう文句をつけるようなところがない。
むしろ、今までよりもあちこち直しているなと感心する。
時間別予約メニューで同時表示が縦7番組なのはちょっとだけ残念。個人的には8番組、もしくは一番下のガイダンスがなくてもいいから12番組同時表示できればもっと便利だったのだが。セットアップにでも切り替え設定が欲しかったかな。

欠点

欠点というのはつまらないところにある。
動作音がうるさい、ということだ。どのくらいうるさい\かといえばPC並みにうるさいといえば良いか。
AV機器としては落第点といえるほどうるさい。
電源を入れるとブオー、とやかましい。TVを普通の音量で聞いていても音が気になる。
電源を切るとほっとするほど静かになる。困ったものだ。
できればずっと電源をいれていたいのだがこれが障害となってしまうほどだ。
ファンの音、HDDの音。両方ともうるさい。静音設計を多分やっていないのではないかと思える。後ろからみただけでファンの“一番効果のある”ところが金属のフレームで邪魔をしているような設計になっている。
つまり無駄にファンを強く回している、それが騒音になっているということだ。

これで問題なのはEPGの取得のために午前5時と6時に電源がはいるらしい。私は大丈夫だが結構でかい音だから朝の睡眠が浅いところでぐぉーと動いて気になる人もいるのかもしれない。

もうひとつ、待機電力が実に大きい。7W。
待機電力1W以下のVTRが流行の中では破格のでかさである。
ちなみにだいたい一年で1000円程度に換算される。これはでかいか問題ないかは個人の思うままだが。
純粋な設計技術の甘さであるので非常に残念である。

総評

非常に良く出来ている。
まさしく麻薬性を持った製品だ。これが壊れたらどうしようという恐怖感を感じるような部分もあるくらいだ。
毎日べったりと使っている、ということだけは間違いない。

番組予約が簡単なだけでこんなにも違うのか、ということが実感できる。
これだけは言葉ではつくせない

そもそもテープだとともかくも管理が面倒だ。いやになる。注意していても事故がおきる。
重ねがきで画質がどんどん落ちていく。

それが嫌でDVD−RWに移った私だが書き換え回数の制限におびえ、また一度に出来る番組数の制限(8つ)に閉口し、DVDを見る回数が増えてつい録画モードにするのを忘れたりと必ずしも満足はしてはいなかった。

どんどんとってどんどん見てどんどん消していく。
そういう人にはうってつけの機械といえる。
自動更新モードにしておけばどんどん勝手に消していってくれる。
録画するとNewマークがつくので何を見てないかがだいたい判る。
こういう便利な仕掛けがこまごまとよく考えられている。
録画という点で結構適当に作られている(当人たちはそうは思っていないようだが)ものが多い中でソフトが面倒で複雑になることはあえて承知してしっかりと作りこんでくるのだからたいしたものだ。

コスト過剰競争の中でVTRは安い適当なマイコンを使っているからどうしようもないという現実もあるだろう。
Clip-OnではSH3を使っているらしい。これはWindowsCEなどにも使われていたし高級な部類にはいる。
あえてコストがあがってもしっかりと作ってみようという意欲には大賛成というところか。

おまけ(追記:12月24日)

この機能があったら買うのに・・・という話はよくみかける。
これに関してアンケートはがきをみてみるとなかなか面白い。
「本機にどんな特徴があったらなおよかったと思われますか?」という設問で
LPモードのより高画質/より高音質/より低価格/より大容量(長時間録画)/より豊富な編集機能/より簡単な編集機能/キーワードマニュアル入力機能/DV端子/前面入力端子/i.LINK/光ディスクビデオレコーダーへの高速ダビング機能/バイオとの接続機能/外部からの予約機能(iモード等)/インターネットでの番組予約/本体表示管/本体予約/CMスキップ機能/音声ゆっくり再生/ダブルチューナー/BSデジタルチューナー
という選択肢があげられている。
つまりこれらのことは検討の俎上にあがったのだがやめたのだ、という意思表示であろう。
その一方で、実際に購入した人たちに対して開発陣は、我々は不要と判断した、しかし本当はどうなのだろう、ぜひ教えてくれ、ということなのだろう。


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