ウチのシステムはなぜ使えない〜SEとユーザーの失敗学〜

評価に困る本である。
ギャグで書いているのか、真剣に失敗学を考察しているのか。
真意を取りかねるものなのだ。

特に最後の「短編小説」は少々荒唐無稽で悪ノリが過ぎるのではと思う内容で苦笑してしまう。
ただ、そういう“あり得ないこと”が現実では起きてしまう(しかし当人達は至って真剣にやっているように見える)こともあるから心底笑えないギャグである。
私はSEの書いた本(同人誌含む)やらは、自分がプログラミングを趣味にしていることもあって技術背景は良く理解できるし、関心は高いので好んで読んでいる。所詮は他人事なので遠慮無く笑って済ませられるということもある。(こういうのは関係者過ぎると身につまされるから笑えない)

この本は元SEやらの“内部告発”かと思えば、著者経歴からは学者さんのようである。
なんだかんだで読み終わって、ちょっと違和感を感じる部分もあったので著者略歴をみたらそうなのか、という感じである。

著者自身が一番最後で書いているが、本物のSEさんが読んだらどうだろうか、というところはある。
SEをクライアントさんとしての目線で探った結果を、あたかも内部から見た様子っぽく書いてある感じがある。
そういうのは内部の人間が見るとカチンときてしまう部分もあるのではとも思う。

外部からはこういう風に見えているんだなあ的に傍観者で読めれば面白い本なのかもしれない。

本当の意味での「ユーザー」が失敗学を学ぶものでは無いのではと言っておいたほうが良いのかもしれない。
何回もこういう「ユーザー」にさせられて苦汁を飲まされてきた、会社内の“被害者”とされがちな人が、読んで気を晴らす、という役割が妥当なのかも知れない。

まあ、私はそこそこ楽しんで最後まで読めたし、こういうレビューを書く価値はあるのは事実である。
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