ホームシアターシステム

昨今、DVDの普及に伴ってか、5.1chの音響システムが表に立ってきている。
不況業界にあって追い風と捉えている会社も多いようでどこも積極的だ。
わたしも多分にもれずおもしろそうなので一口乗ってみた。

基本

そのまえに、この辺のモノをちょっと整理してみる。なんかややこしくて混乱しそうだからだ。
まずプレイヤーからの出力はデジタルでなければいけない。
DVDからデジタルで伝送されAVセンターでデコード(解釈)されて複数チャンネルの出力を作り出す。
それ自体がアンプを持っていてそこにスピーカーを繋ぐことがほとんどであるし、機種によってはそこからプリアウト端子を使って外部アンプに繋ぐ場合もある。
当然デコードするには対応されたAVセンターを購入する必要があり、方式には以下のようにたくさんある。

各種フォーマット

ドルビープロロジック

主にLDで多用された。4CHによるサラウンドを再現している。
家庭用サラウンドシステムとしては初であり、LDという特殊性もあり一部のものであったように思う。
まだこれはアナログ技術によるものである。
ドルビーは開発者のドルビー研究所から由来している。

ドルビーデジタル

5.1CHによるサラウンドシステムを実現する。
フロント3CH(左・右・中央)、リア2CH(左・右)、低音(120Hz以下)効果用0.1CHとなります。
5.1CH完全独立でデジタル記録されているのも大きな差。
デジタル記録ができるDVDソフトからの登場となる。
現在でもほとんどのソフトはドルビーデジタル方式のものであるようだ。

DTS(Digital Theater System)

デジタル・シアター・システムズ社の開発。
使用チャンネルはドルビーデジタルと同じだが、圧縮率が低めでより忠実ある再現が可能となる。
とのこと。もっとも本業はDTS−ESの方なのだろう。

THX SURROUND EX

ルーカスフィルム社とドルビー研究所が開発。
6.1CH以上のシステム(後方、側方の追加)により、さらに定位の忠実な再現を目指している。
とりあえず5.1CH互換も考えており単にEXならではの効果が得られないだけとしている。
いまだに「スターウォーズ エピソードワン」という話しかなく他にネタはないのかと毒づきたくなる。
実際にTHXに対してはメーカーによっては対応したAVセンターを発売していない。
ルーカスファンなら重点項目なんだろうけれどもね。

DTS−ES

DTSとの上位互換性を持ちつつ拡張をしたという。
つまり5.1CHシステムにも配慮しているとのこと。
基本的には6.1CH以上のシステムに対応しそのときには完全360度の定位感を実現しているとのこと。

ドルビープロロジックII

ドルビープロロジックのデジタル版といったところ。

MPEG2−AAC

BSデジタル放送で活躍か。多分にもれず5.1chサラウンドを扱うことができます。
現状ではスターチャンネル、WOWOWの映画でもっぱら5.1ch対応の時に使われており、その他でもごく一部の放送で試験的にこの方式での放送をしています。
デジタルBSチューナーによってはデコードしたアナログ5.1chを出力できるものもあり、一方AVアンプには5.1chアナログ入力ができるものも多くそういうやりかたも考えられます。

総括

普通に映画を楽しむのならドルビーデジタルが再現できれば問題はないと思われます。それなのに色々と規格が乱立しており初心者を混乱に陥れているようにさえ感じます(笑)。
まぁ、映画界(AV業界)はマニア主導なんでしょうがないんでしょうけど。
それぞれに最適化するのは勝手だけどソフトがついてきていないしね。
自分で欲しいDVDソフトをざっとお店で見てドルビーデジタルもしくはDTSだけならばまったく悩む必要はないでしょう。
問題はルーカスだけどとりあえずルーカスマニアでもなければTHX選ぶまでする必要ないんじゃないかな、と思う。
それでAVセンターの選択肢を狭めるのは得策とはとても思えないし。

昨今のサラウンド事情

DVDの低価格化によってサラウンドシステムが安価で売られるようになった。
オーディオ屋さんも活気付いているらしく、AudioEXPOにいってみてどこも多チャンネルシステムの展示をしていた。
PDPを持っているパイオニアなんかはそれと合わせて大画面ホームシアターを提案しているし。
量販店を見ても10万円そこそこで組めるというシステムを販売している。

しかしそれで本当にいいのか?

そういうシステムだとスピーカーで1本1万もしない計算になってしまう。
確かに素材技術があがったし小さくてちゃちに見えるから音が悪いということは必ずしもない。
しかし、実際に聞いてみると確かに音がちゃちすぎるのだ。
でるべき音がちゃんとでてきていない。それはやはり値段なりなんだろうがそれでいいのだろうか。
臨場感さえもあまりない。これではまともなスピーカーを持ったTVのほうがよっぽどましではないかとさえ思う。

TV業界もその過剰な値下げ競争によって質を落とせるところまで落としまくり、そのあげく質の低い音や画像を提供することになってしまった。そのあげくに利益も上がらずユーザー離れを招いてしまった。
確かに購入者がその差を見抜けないのもあったが他社と見比べて買うことが多い一般者は全体のレベルが落ちていっていればそれはそれで気がつかないし、また、選択肢も持ち合わせていない。
壊れたりして必要だから買うのであってそこでいいものがないから見合わせるということがないからだ。
そのあげくTVはこんなもんだと見下されてしまったのだ。
これはビデオデッキにもいえており、もう2万だって高いなぁ、といわれる始末。

音というのはより一層差がわかりにくい。
コンポやラジカセでも同様に過当競争で落ち込んでいる。
その轍をまた踏んでいくのだろうか。

もちろんたくさんの人に買ってもらって売り上げが上がるほうがいいのだろうし、いいシステムは好事家に買ってもらえればそれでいいという論理も確かにある。
とりあえず買ってもらってどんなものかを感じてもらってそっからステップアップしてもらうという考えもあるのだろう。
でも臨場感といってもこんなもんか、と思われてしまう、そう感じてしまう人も多い、のいう現実もある。
問題は10万以下ではどうしてもまともにならない、という点だ。
決して安い値段ではないのに総合して損をした気分になってしまう。
それが主流となって金銭原理だけで店頭に並んでしまう。
一度値段が決まるとそれ以下では決して並ばないしそこから下がることしか購入者は考えていない。
もうこの業界は見下されてしまっているのだ。
買ってしまって損をしたとなったり10万の価値はないな、と思ってしまうとそこでその市場は終わりだ。
例えば30万でもいいと思ったとしよう。でも値段がなぁ、ならあとは品質を維持しつつ値段さえ下がれば買ってもらえる。つまり市場は残っているからだ。

音は求めると際限がない。
一般論は論じることは非常に難しい。だからその論点から避けているように私には思える。

実際に心あるオーディオショップではまだまだ5.1chシステムは積極的に売ることはできないと言う。
そんなこんなで5.1chなんて買うのはやめようかとも思った。

私の場合

まずはお店に行って聴いてみた。
私はオーディオマニアでもなんでもないのではあるが、大抵は迫力があるというより単にうるさいだけだった。
音量を上げればそりゃー迫力を感じると錯覚するだろうけど、そんなの自宅でできないじゃん、と。
そこそこまともに出ていると感じるものでシステムを組むとざっと40万は超えてしまうようだった。
それでもシアターとしてはまともに出ている、というレベルで音楽には供しない。
そうなるとあまりにコストメリットを感じられず悩んでしまった。

まず、5.1chであることを捨てた。
ホームシアターを組もうというのに本末転倒であろうかと思うだろうがそうではない。
そもそも5.1chである意義というものを考え直すべきなのだ。

センターにスピーカーが必要なのは中央から出てくる音の定位が悪いからなのだ。つまり定位がよければ不要なのだ。
.1ch、つまりウーファーも低音が出ないのを補うためのもの。低音がしっかり出ればいいのだ。
後方の2chはそこそこのスピーカーでよい。実際にメーカー推奨システムでも後方スピーカーは前方よりも1ランク以上下がったものであることも多い。となれば今まで使っていたオーディオコンポのスピーカーで良いのではないか、と。

そうなればフロントスピーカーに全力を投入することになる。
音楽をも視野に入れて金をかければいい。一本10万円程度で満足できるものがあった。
いわゆるAVアンプでは音をだしきれない、だしきれるようなクラスのものを買うことはできない、ということからアンプをスピーカーとセットで買うこととした。アンプで10万円くらい。締めて30万。そっからやや割り引いてっていうところか。
値段としては高いがこれでウーファー、センターまでカバーさせるのだからそう考えれば高くはない。
シアター専用というわけでもないからだ。

しかしこれによってAVセンターの選択肢はやや狭まってしまう。
とりあえずAVセンターのアンプ部のドライブ能力・音質はどうでもいいし、ではあるが。
必須の機能としてはデジタルから5.1chデコードしてそれを改めて4chで出力できるもの、が必要となる。
つまりセンターを左右スピーカーに振り分け、ウーファーに振り分ける音も前面2chに振り分ける設定が必要である。
さらにプリアウト出力が必須でもある。
できればコンポーネント入力があってとなると・・・おのずとほとんど選択肢は減っていき、調べていくとYAMAHAのAX8あたりのゾーンが浮かび上がってきた。
デジタルBSでも使いたいのでAAC3対応も欲しかったのだがこれはさらに優先順位を下げておいた。
で、ぶらっといった店でAX8が店頭展示処分で半額ででており思わず購入してしまい決定。4万円。
プリアウト経由でセンターだけアンプにつなぎ動作。後方はコンポの使いまわしでAVセンターからのスピーカー端子に繋ぐ。
予想通り十分すぎるほどの効果。

というわけで総額30万ちょい越えでそれなりにまともなシステムができてしまった(笑)
くわしくはモノレビューで、ってことだが、まぁ、こういう手もあるわけで。

あとからだったがAV雑誌を見るとみんな同じようなことをやっているらしい。
贅沢なシステムでは後方やセンターもプリアウトでということもやっているわけで、まぁ、そういうところを目指して段階アップグレードをしていくことも可能というところか。


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