RD-X3のClipOnユーザーから見た問題

ソフトもしくは思想的な問題であるが、非常に違和感を持つ部分がある。
おそらくそれがRD-Styleということなのだろうが、不自然なところも多く感じる。
ソフト的な作りこみの甘さというところもあるだろうし、仕様の詰めの甘さも感じる。
その辺を列記して、ClipOn系ユーザーがRDを買って堪えられるかを判断材料としたいと思う。

あくまでHDDレコーダーとしてのRD-X3を評価しているのだから不公平かもしれない。
本来はDVD-RAM/Rや編集機能などを評価してほしいという人も多いかもしれない。
私がRD-X3をHDDレコーダーとして購入したことそのものも間違いなのかもしれない。
しかし、この観点での評価は是非しておきたいと思ったので興味のある向きはご笑覧いただきたい。

録画優先という考え方

考え方としては非常によろしい。
残念ながら実際使っていて問題となる部分が顕在してしまっている。

いくつか例をあげよう。

録画中だからできないということ

RDX3を実際に使っていて予約をいれようと思うと「現在録画中なのでできない」といわれる。
直感的にまずかちんとくる。
これはつまり録画していない時間をみはからって録画予約を入れろ、ということである。

従来のビデオデッキなどを使っている人にとっては当たり前だろうという感覚らしいが残念である。
普通は録画をしているときには何も出来ない。それよりもましであろうという考え方なのだろう。
録画しているときには何も出来ない、のが当たり前を基本としてそこから再生もできるようにした、ということと、録画というものはただの1つの動作に過ぎず、現在の録画作業を妨害する事以外はなんでもできる、ということでは雲泥の差がある。

いつ録画しているのかという意識から開放されたい(自由でありたい)、これは必要なことではないのか。
それを実現するのがHDDレコーダーならではの長所の一つだと思うし、実際、ClipOnを買って嬉しく感じたことはこれである。

予約というのはあるとき突然入れたいと思うものである。
それができないというのは実に致命的な欠陥とも言えるものである。
たとえば出かけ前に録画が始まっており、時間がちょっと空いたのでTVガイドを眺めていたら面白そうな番組があってさらに録画を追加したいと思ったら、それはできない。
ビデオデッキでもそれはできないのだから当たり前である、問題はない、という発想であるのなら、まだまだ所詮ビデオデッキの延長上の旧い機器であるといわざるを得ない。
ClipOnなら別に関係ない。いつでも録画予約できて当たり前である。
いきあたりばったり、思いつきで問題ない。

HDDレコーダーで生活が変わる、という一番のことに、TV番組の時間という縛りから開放される、ということにある。
これはClipOn-ChannelServer-Cocoonで一番優先に考えられていることだと思うし、だからこそ支持されていると思われる。
これは録画という意識を極力させない、全くの裏方であるという基本思想にある。
ChannelServerにはTVチューナーを2つ積んだ機種もあるが、これもこの思想を推し進めたところから来ていると思われる。
つまり録画に1つとられてもユーザーにはもう1つ使わせることで、今、録画状態であるという制約を感じさせないのである。

勿論、RDでも録画は電源ON/OFFに縛られず、さすがに予約ONモードという概念もない。
しかしこれは当たり前すぎて自慢できることではないとしか捉えることが出来ない。
しかし次にあげる問題点に話が繋がっていく。

録画終了で電源OFF

HDDなりDVDなりで再生視聴をしており、見終わったので電源OFFをしようする。
すると「それはできません」といわれる、驚いてしまう。
よくみるといつのまにか録画が始まっていたようだ。
これが問題である。

ClipOnではどうであろうか。
普通に電源が落ちる(ように見える)。映像出力はされなくなる一方、もちろん録画は続行される。
傍目では前面パネルの明かりが消える。電源OFFされたんだ、と一目で認識できる。
そしてLEDが赤く点灯しており録画が行われていることが認識できる。
電源ボタンをおしてこのことが見られればあとは気を使う必要が一切無い。

この差は非常に大きい。

RDの反応を見ると、じゃあ、録画が終わったら電源OFFして欲しいのだがどうすれば良いのだ?と疑問に思ってしまう。
そこで取扱説明書調べるとクイックメニューで「終了後電源を切る」を選ぶということらしい。
(ここでユーザーに調べるというつまらぬ負担を与えていることに注意)

録画終了したら電源がOFFした

で、さらにここで問題が起きた。
「録画終了後電源を切る」を選んでいてやっぱりまだ録画したものをみたくなったので見ていた。
すると突然電源が落ちたのだ。
数秒呆然としてしまったが、冷静になって考えると録画が終わったのでRDは電源を切ったらしいとようやく思い当たった。
まぁ、確かにそう指示をしたが、人が見ている(再生している)ときに電源を落とすものだろうか?
論理的に思考すれば確かに問題はないわけだが、直感的に非常に問題がある。

もう少し押し詰めて考えるとここで問題なのはRDの人間無視、もしくは従来発想で良いとしている発想である。

ClipOnではまず視聴(再生および操作)と録画は分離しており、電源の管理はその各々にある(ように見える)。
基本的に人間は視聴関連の電源のみを気にしておればよく、電源ボタンはこれを指示する。
一方、録画系統の電源は全く勝手に行われる。
人間が与えるのはこの番組を録画しろということだけであり、それに従うだけである。
非常にシンプルな考え方である。

RDでは「できない」とつっぱねているのが気に入らない。
ハードウェア構成にもよるので一旦作ってしまった全体の回路構成を組みなおすというのは非常に困難であり、やりたくないのかもしれない。
しかし、ソフトでもある程度は回避することはできるはずである。

例えば、電源ボタンを押すことを電源OFFの予約と考える。それによって映像出力をMUTE(真っ黒に)してしまい、前面パネルを消してしまう。
再度電源ボタンを押したら元に戻す。それは電源OFF予約の解除とする。
そこまでやらなくても、「録画終了中はできない」ではなく電源ボタンをおしたら「録画終了後に電源OFFするか?」メニューを出して判断を仰ぐ、もしくは「録画終了後に電源OFFをします」とメッセージを出してもいい。
その程度の考えはなかったのだろうか。

録画優先は言い訳の言葉なのか

RD-Styleでは録画優先なのです、と謳っているのは結構なのだが、人間のやりたいことよりも録画を優先してどうするのだろうか。
録画優先というのはこういう不都合なことに関しての言い訳ではないのか、とさえ勘ぐりたくなってくる。
ClipOnはあくまで人間優先であって、人間が優先したいことが録画優先であるにすぎない。
まだ思想で青すぎるということなのだろう。
開発者は「まだまだ現状のシステムは完成には遠い」といっているので今後の発展に期待したいとは思う。
しかしこれらを優先していなかった、ということからこのような細かい、しかし大きな欠点が解消されるのかは不安がある。
そして一番の問題はこれらを大きな欠点とは思わず、当たり前のように諦めている人が多いことである。
確かにビデオデッキに慣れている人にとっては違和感が無いともいえることだが、実は従来のその無駄な発想や操作から脱したいという気力さえ削がれているのが事実ではないのだろうか。
一度楽をしてしまうと戻れないとはよく言われることだが、楽をしたことがないとそれすらに気がつかないというのもまた事実なのだろう。

自動更新がない

自動更新機能が無いのは残念。
これは毎週予約とかにおいてひとつ前のものを自動的に消去してくれるものでいちいち削除操作をしなくてすみ、非常に便利。

RDでは録画したものの削除が面倒であるということにも繋がっているのだが、いちいち削除をしなくてはならないという負担をかけている。
ちなみに削除がどれだけ面倒かというと、下記のような操作が必要となる。
まず見るナビを押す。削除したい番組にポイントを動かしてクイックメニューを押す。上ボタンを2回押して決定を押す。確認のため左のはいを選んで決定を押す。
(ちなみにダイレクトキーの削除は存在するが蓋を開けた中にある)
さらに悪いことに一つ削除するたびに見るナビから抜けてしまう。
そして細かい欠点を指摘すると確認の画面で左側のはいのところでうっかり左ボタンを余計に押すと右側のいいえにいってしまう。
いわゆるリング状のカーソル移動というやつで、場合によっては非常に便利ではあるが、この場合には余計なことである。
もともとリモコンの入力感度は良いとはいえないのでつい余計に押したくなってしまう。
つい、いいえを選んで決定になってしまうことがたびたびある。
すると上記のクイックメニュー押しからもう一度ということになる。
実にイライラする。もちろん操作ミスをしたのは自分であるのだが、だからこそさらにイライラする。
こういうところで機器のソフトがちょっと気を使っていればありがたいと思うものなのだが。

せめてネット経由で削除できれば救いがあるのだがそれができないのは残念である。

録画予約一覧にみる、録画に対する考え方

ClipOnにおいては予約一覧は番組名と内容概略が一覧となっており、録画時刻などは選択されている時に表示される。
なんの番組を予約しているのかが最優先事項なのだ。
RD(もしくは殆どのVTRもそうだが)では時間が一覧となって表示されている。
番組表は選択されているものに関して表示される。

そして、その延長上に、30分もしくは60分の延長録画設定というものがある。
単に終了時間をそれだけ増やしてやるだけのものなのだが、実は非常に重要な意味を持っている。
ユーザーが欲しいのはあと一時間余分にとることであって、例えばこの番組が22時30分におわるから23時30分にするという意識の負担は機器が負ってやるべきである、ということなのだ。
だからこそClipOnにおいては延長時間を表示することが意味があるし必要なことなのだ。

総じていえば、どこまで人間の発想優先でモノを作っているのか、ということに尽きる。
RDはそのあたりがまだまだ足りない、ということになってしまう。

RDはまだマシである

ただし、RDが悪いというわけでもない。
他のHDD搭載のものも似たようなものであり、コレ以下のものばかりである。
こいつはまだ見込みがあるから比較の対象としてあげただけのことであり、他のは論じる以前のものである。

ネット制御、iEPG録画とメール録画は素晴らしい。

あまりRDを責めても可哀相なので長所を上げておこう。
なんといってもiEPGによる予約である。
私は以前よりネット上でのTV番組情報は利用していたが、そこからiEPGボタンを押すだけで予約ができるというのは素晴らしい。
SL-C700のNetFrontからもできるので布団で寝転がりながらでも予約をいれていけるというのは非常に嬉しい。
だからこそ本体の電源をいれていないといけない、また、録画中にはできない、というのは非常に不便ではあり、残念である。

録画予約した内容(設定時間等)の編集や録画した番組のタイトルなどをPCから編集できるのは便利。

録画忘れや出先での予約におけるメール録画も特筆すべきことである。
ネット制御は本体の電源をいれていないとできないため、電源をいれて外出することに抵抗がある向きには今ひとつである。
しかしメール録画ならその心配も無い。
「呪文」はメモでもしておけば良いことだし、メールはケイタイからでもWebメールでも会社のメールからでも構わない。
朝昼晩にいちど見に行ってくれるからこれに間に合って送っておけば良い事である。

これだけのために、RD-X3がある、というのは少々言い過ぎのようだが、非常に良い機能だと思う。


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